【変化への対応力を磨く:自衛隊式マネジメントから学び、図上演習で進む】第1回 ジンテックの危機管理教育に潜入?!
コラムはじめに
Jライブラリーをご覧の皆様、こんにちは!
合同会社セルフディフェンスパートナーズの西田と姉崎です。
私たちは、元幹部自衛官として、現役時代は日夜厳しい訓練と実践経験を積んで参りました。ご存じの通り自衛隊は、国家の危機管理活動として武力攻撃事態や災害対応にあたることを任務としています。この危機管理活動の基本は、各級指揮官(リーダー)の高いマネジメント能力と部隊の任務遂行能力に基づくもので、チームが高いスキルとチームワークを発揮するためには、リーダーの強いマネジメントが不可欠です。これは企業活動においても同様だと思います。
人材育成メソッドを、皆様の日頃のマネジメントやチームビルディングにお役立ていただければ幸いです。
自衛隊式マネジメントスキルは教育と図上演習で育成
自衛隊において、マネジメントは活動の根幹をなすもので、幹部自衛官に対する「マネジメント教育」には大変注力をしています。マネジメントは幹部に求められる重要な「スキル」であり「技術」です。セミナー形式による教育を行うだけでなく、それを体得させ実動での指揮能力を向上させるために「図上演習」というシミュレーション訓練を使って、指揮能力の実効性を確保しています。
民間企業をとりまく環境は近年ますます厳しさを増しており、管理職の皆様にはビジネス環境の変化に対応するための変革力や労働力不足、いわゆるZ世代との世代間ギャップなど多岐にわたる対応が求められています。近年ますますスキルとしての「マネジメント」が重要になっていることから、このコラムでは、自衛隊式マネジメントを中心にご紹介をしたいと思います。
初回は「マネジメント研修や図上演習ってどんな感じなの?」をイメージして頂きたく、実際にジンテックで開催した様子をレポートいたします!
ジンテックでの取り組み事例
ジンテックでは毎年、危機管理のための研修を全社員参加の合宿として開催されています。今回お届けするのは2024年5月に実施した合宿の様子です。

弊社にて2023年に改訂させていただいた危機管理マニュアルをもとに、2024年度は知識の定着と実際の活動への検証として、リーダーシップとフォロワーシップ研修並びに図上演習を行いました。
◯リーダーシップ研修
平時、危機発生時に問わず業務を遂行するために必要なリーダーシップの概念と、危機に負けない強い組織を作るためのリーダーの思考と行動をテーマに研修を進めました。特に、自衛隊の指揮を細かく分解し、平時と有事それぞれに大切なことを確認していきました。
自分事として落とし込んでもらうために、参加型のワークショップ形式にし、「明日からできる、リーダーとしての小さな一歩」についてディスカッションしていただき、知識の定着を図りました。

◯フォロワーシップ研修
リーダーシップとは社員個人が組織全体にポジティブな影響力を与えることを言います。一方で、フォロワーシップはフォロワーが組織やチーム、リーダーのために主体的に考えて行動することを言い、危機の時こそフォロワーが積極的に行動する事が大切です。フォロワーシップについての実例を交えながら研修をし、あわせてフォローワーシップの発揮には、日頃からちょっとした違和感や感じた事をフィードバックできる職場の環境構築も必要であることをリーダーの方々にお伝えしました。

◯図上演習
2024年秋に、全6回2チームずつ3日間に分け図上演習を開催しました。
改訂した危機管理マニュアルに基づく基本的な活動ができるかに焦点をあて、不良な納品物発生時、提供ソリューションの不具合発生時、サービスシステムの障害発生時等の対処における危機管理の手順についてシナリオを元にシミュレーション活動をしていただきました。
ジンテックでは、取引先である地域金融機関、通販会社、カード会社、生損保など、各業界の機微な情報を扱うため、不測事態が起きないよう日頃から万全を期した業務を遂行することはもちろんですが、万が一不具合が起きた際に、「如何に顧客への被害発生を防止するのか」ということが大変重要となります。
次回は、更に詳しく図上演習についてご紹介します!

次回テーマ
第2回 図上演習の実例ご紹介(ジンテックの事例紹介)
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