あなたの「しごと」はどのタイプ?
〜ワクワクする「志事」への転換〜(第3回)
コラム
こんにちは、し〜さんです!
前回は「やりたいこと100連発」で自分の中にアンテナを立て、自律社会を生きるヒントをお話ししました。実際にリストを書いてみた方からは、「意外と自分の本音が見えて面白かった」「仕事以外でも、やってみたいことが溢れて止まらなくなった」という楽しい声も届いています。
今回は、その「やりたいこと」と「日々の仕事」をどう繋げていくか、というより具体的なテーマです。
かつて私は、オムロンでのマネージャー時代に「3ヶ月休暇」という長期休暇をいただき、東京(単身赴任先)から京都の手前、東海道の宿場町である滋賀の草津(自宅)まで、15泊16日かけて歩いて帰ったことがあります。(関東の草津温泉とは別の、歴史ある宿場町の方ですね!)
毎日30キロ以上、黙々と自分の足で歩き続け、足の痛みと向き合いながら考え抜いたのは、「そもそも『しごと』って何だろう?」という、あまりにも根源的な問いでした。
その時、道中(静岡あたりだったでしょうか)で辿り着いたのが、今の私の活動の核となっている「4つの『しごと』」という考え方です。今の皆さんの業務は、単なる「仕える事」になっていませんか?もしそうなら、漢字の当て方ひとつ変えるだけで、明日からの景色が劇的に変わるかもしれません。
15泊16日の徒歩の旅で見えた、4つの「しごと」
私が東海道を歩きながら整理した「しごと」には、4つの異なる側面があります。
- 私事(わたくしごと):自分のエネルギーの源泉です。私の場合、山に入って山伏修行をしたり、滝行をしたりすること。 自然から純粋なエネルギーをもらい、自分を整える活動です。家族との時間や趣味など、皆さんは自分の心にたっぷりと栄養を補給できるような「私事」を持っていますか?
- 仕事(しごと):組織の一員として役割を全うする「仕える事」です。 皆さんが日々会社で行っているルーチン業務やオペレーション、決められた役割の多くがここに含まれます。
- 志事(しごと):自分が本当にやりたいこと、成し遂げたいという「志(こころざし)」に基づく活動です。 「これこそが自分のやるべきことだ」と腹の底から納得している状態を指します。
- 使事(しごと):社会貢献活動など、自分の命を社会のために「使う事(使命)」です。
なぜ「仕事」だけでは苦しくなるのか
多くのビジネスパーソンが、日々の生活を「2. 仕事(仕える事)」の領域だけで埋め尽くしてしまいがちです。 もちろん、組織人として役割を果たすことは大切です。しかし、受け身の「仕える事」だけを続けていると、どうしても「やらされ感」が募り、心のエナジーが枯渇してしまいます。
大切なのは、今の業務の中に、自分自身の「3. 志事(志す事)」を少しずつでも重ねていくことです。
例えば、金融機関の窓口や審査の業務(仕事)であっても、「この融資によって、地元の商店街に活気を取り戻したい」とか「デジタルを活用して、お客様の手間を一つでも減らしたい」という、あなた自身の想い(志事)を乗せることができれば、それは単なる「作業」から、新しい価値を生み出す「創造」へと進化します。
組織の中に「志事」を増やす「バリューアップ」の視点
今、どの企業も「イノベーション」を求めていますが、これはトップの命令だけで起きるものではありません。 社員一人ひとりが、自律的に「志事」を見つけ、それをぶつけ合う中から生まれるものです。
私がオムロンで導入した「バリューアップ会議」も、実はこの「志事」を育てるための仕組みでした。 新しいアイデアに対して、「それはいくら儲かるのか?」「リスクは?」と、既存の「仕事(仕える事)」の論理でブレーキをかけるのではなく、「その志を実現するために、どうすれば価値がもっと上がるか?」を全員で考える応援の場です。
「誰が喜んでくれるのか?」「どんな社会課題を解決したいのか?」 この問いに対して、組織全体がワクワクしながら知恵を出し合う。こうした「心理的安全性」と「志(こころざし)」の共有こそが、変化の激しい時代を生き抜く組織の絶対条件だと私は確信しています。
おわりに
第1回でお話ししたように、強い「縦糸(ぶれない理念)」があれば、時代に合わせた「横糸(新しい手法)」を自由に織りなすことができます。 これは個人も全く同じです。
あなたの「私事」で得たエネルギーを日々の糧にし、「仕事(仕える事)」の中にあなただけの「志事(志す事)」をそっと忍ばせてみる。 そしていつか、それが社会に貢献する「使事」へと繋がっていく……。
そんな多層的な視点を持って、明日からの仕事を見つめてみてはいかがでしょう。
「自律社会」とは、誰もが自分の人生の主役になれる社会です。 皆さんの「志事」が大きく花開くのを、全力で応援しています!
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